なぜ企業は資金繰りに苦しむのか?
中小企業診断士、税理士、経営コンサルタントなど、中小企業の経営支援を行なっている皆さま。
クライアントの経営支援をする中で、次のような相談を受けることはありませんか?
「売上は順調なのに、なぜか資金繰りが厳しい」
「利益は出ているのに、銀行からの借入が難しい」
「毎月の支払いがギリギリで、いつも資金が不足している」
これらの課題は、多くの中小企業に共通する「資金繰りの問題」です。しかし、その原因を正しく把握しないまま、売上向上やコスト削減だけに目を向けても、根本的な解決にはなりません。
資金繰りが悪化する企業には、共通する特徴や経営上の問題点が存在します。
本記事では、資金繰りに困る会社の共通点を明らかにし、財務視点から経営課題を見抜くポイントを解説します。
資金繰りに困る会社の5つの共通点
① 売上とキャッシュフローを混同している
多くの経営者は「売上が上がれば資金繰りは改善する」と考えがちですが、これは大きな誤解です。
売上が増えても、資金の流れ(キャッシュフロー)が適切に管理されていなければ、資金ショートに陥る可能性があります。
例えば、売上は増加しているものの、
・売掛金の回収が遅れている(売上計上=即現金ではない)
・在庫が増えすぎて資金が固定化している
・売上増加に伴い、仕入れや運転資金の支出が増えている
このような状況では、実際の手元資金が不足し、資金繰りの悪化を招くことになります。
② 利益よりも資金の流れを重視していない
企業が財務的に健全であるかどうかを判断する際に重要なのは、「利益」だけではありません。
キャッシュフローの健全性こそが、資金繰りの安定に直結します。
例えば、
・利益は黒字なのに、キャッシュフローはマイナス
→ 売掛金の回収遅延や過剰在庫が原因
・利益は出ているが、過剰な借入金の返済負担が重い
→ キャッシュアウトが続き資金が枯渇
こうした企業では、キャッシュフローの管理が不十分であることが多く、資金繰りの問題が発生しやすくなります。
③ 借入金の返済計画が不適切
資金繰りに困る企業の多くは、借入金の返済計画が適切に立てられていません。
特に、
・短期資金を長期的な運転資金に充ててしまう
・毎月の返済額が高く、資金繰りの余裕がない
・追加借入を繰り返し、財務負担が増加している
このような状況では、銀行からの融資を受ける際にも信用が低下し、さらに資金調達が困難になる悪循環に陥ります。
④ 銀行との関係性が希薄である
銀行からの融資を受けやすくするためには、金融機関との良好な関係を築くことが重要です。
しかし、資金繰りに困る企業ほど、
・必要なときにしか銀行と話をしない
・決算書を提出するだけで、説明や交渉をしていない
・銀行取引の履歴が少なく、信用力が低い
こうした企業は、いざ資金が必要になった際に銀行からの評価が低く、融資が受けられないケースが多く見られます。
⑤ 事業計画・資金繰り計画を立てていない
資金繰りが厳しくなる企業の多くは、長期的な資金計画を立てていないという特徴があります。
・来月の支払いに必要な現金がいくらか把握していない
・設備投資や採用の計画が、資金繰りを考慮せずに行われる
・突発的な資金需要(税金、ボーナス支払いなど)に対応できない
適切な資金繰り管理を行うためには、資金繰り表を作成し、定期的に見直すことが不可欠です。
資金繰りを改善するための具体策
資金繰りの問題を解決し、企業の財務体質を健全化するためには、以下のポイントを実践することが重要です。
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売掛金の回収を早め、現金化を促進する
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過剰在庫を減らし、キャッシュフローを改善する
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短期借入と長期借入を適切に使い分ける
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銀行と定期的に情報交換を行い、信頼関係を築く
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資金繰り表を作成し、キャッシュフローの見通しを明確にする
これらの対策を継続的に行うことで、企業の資金繰りは大きく改善され、安定した経営が可能になります。
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